書評

2日で人生が変わる 「箱」の法則

自分の小さな「箱」から脱出する方法2日で人生が変わる「箱」の法則

以前読んで目からボロボロと鱗が落ちる感じを覚えた”自分の小さな「箱」から脱出する方法”の第二弾、”2日で人生が変わる 「箱」の法則” が先日発売されました。

第一弾がすばらしいできだったので、今回の本も期待に胸を膨らませながら読んだのですが、その期待を裏切らないすばらしい内容です。

「箱」作り出す恐ろしい「共謀」、「共謀」の作り出す「仲間」、果ては戦争まで、全ては「箱」(=自己欺瞞)から生まれるという話には驚くばかりです。

本作は入門編だった第一弾の内容を強化する形で話が進められ、前回語られた内容がより深く掘り下げられています。そのため、まずは第一弾の内容を消化してから取り組んだ方が得られるものは多いと思います。

もっと言えば、これらを交互に繰り返し読み返すことをおすすめします。それぐらいのことをしても十分に元が取れるぐらい価値のある二冊です。

書評

「関係の空気」「場の空気」

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

会社の女の子に「KY(空気読め)って言葉を初めて聞いたとき、痴山さんの顔が浮かびましたッ!!」って言われるほど空気が読めない痴山ですこんばんは。

本書は一対一の関係に生まれる「空気」を「関係の空気」、三人以上の人が集まった場に生まれるものを「場の空気」として大きく分けて扱い、「場の空気」には問題があり、「関係の空気」はむしろ必要なものというスタンスで話が進んでいます。

「場の空気」は「総意」「世論」「国民感情」などと形を変えて度々現れて、意思決定に重大な影響を与えるのですが、冷静に考えるとほとんどの場合理論的な答えとは全く違う結論を下す ことになっています。本書では、そのような事態がなぜ起きるのか?という疑問に、とても判りやすく答えています。

更に、関係が巧くいっている場合には想像以上に機能する「空気」が、ちょっとしたできごとで機能不全に陥る「窒息」や、「空気」を自分のために操作することで「権力」を得る人たちの実例にまで言及されていて思わず”なるほどなぁ”と唸ってしまいます。

最後の提言に関しては全面的に同調できない部分もあるのですが、普段は目にすることができない「空気」にはっきりとした輪郭を与えているこの本は一読の価値ありです。

書評

経営の大局をつかむ会計

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

会計ってお硬〜いイメージがつきまとって、私みたいな技術畑の人間にはとっつきにくい印象があります。

そんな会計音痴な人にもオススメできる 会計の本がこの本です。

細かい会計の仕組みにはこだわらないで、武富士やトヨタなど、実際の企業のバランスシートや損益計算書から、企業の実態をあぶり出す方法をわかりやすく解説しています。

細かいことは専門家に任せるとしても、自分たちが働いている会社がどんな仕組みで成り立っているか? を知っておくと、いろんなことが見えてくるかもしれません。

雑記

Blog はじめました

昔から Web 日記という形で日記は書いていたのですが、ここ数年は忙しさ(と mixi )に かまけてサボっていました。

日記を書かなくなると、文章を書く力が目に見えて落ちていくものなんですね。以前からそんな大した力があったわけでもないのに、最近は全然文章が書けなくなっている自分にガクゼンとします。

そんなこともあって、日記を再開することにしました。いきなり全開にすると疲れてしまうんで、細々と続けられたらな、と思っています。

この記事より以前のものは、mixi  や過去の日記から拾い出したものたちです。こちらも順次追加していく予定です。

雑記

GENKIROCKETS

Heavenly Star/Breeze(DVD付)

ずっと前から気になってて、買おう買おうと思いつつ何故か買いそびれてた元気ロケッツの CD をやっと買いました。
Amazon のカートにはずっと入れっぱだったんですけどね…今更買っておいて言うのも何なんですが、やっぱエエですわ。コレを効きながら街中を走るとサイコーで、ノリノリなままどこまでも走って行ける感じになります。

…最近の暑さじゃそうも言ってらんないですけど。

新作は出ないんですかねー?

書評

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

あけましておめでとうございます.
今年もよろしくおねがいします〜.

実家に帰って暇になるし,冬休みの読書に…と”自分の小さな「箱」から脱出する方法”を読みました.

何を隠そう,本を読んでる間に年が明けちゃったんですけどね。たまにはそういう年越しもいいですかね.

この本は,一部 blog では話題になっていたものの絶版で入手困難になっていたものが 11 月に奇跡の復刊を遂げて,すぐにでも読みたいと思っていたものだったんですね.
そうこうする間に一ヶ月過ぎてしまったんですが先日渋谷に行ったついでに探して来ました.

余りの面白さに一気に読みきってしまったんですが,この本は噂に違わず素晴らしいです.

“自分だったらどうなんだろう?” “アノ人はどうなんだろう?” と自分の実体験と照らし合わせて読み進めると, “箱” に入っていた自分に気づいたり,”そうは言っても…” と再び “箱” に入ってしまいそうになる自分と葛藤したりといろいろ考えさせられる内容テンコ盛りでした.

正直,まだ納得/消化しきれていない部分もありますけどね(笑

新年早々読むような本でもないですけど,一度手にとってみることをオススメします.読んだ後はセカイがチョットだけ変わりますよ.

未分類

Q.,indivi/ComeBAby.EP

ComeBAby.EP-2CD-

週末,渋谷に買い物に行った時のこと。買ったジーンズの裾直しを 待っている間に街中をふらふらしていたときに入った HMV で 普段はあまり試聴しないクラブ系の棚でふと足を止めて 試聴機にかけられたCDを聞いていると……

そこに流れてきたのは聞き覚えのある au w31k の CM 曲!!

そのときは体中に戦慄が走りました.まさかこんなところで 出逢えるとは!!本当に細い、細〜い繋がりが繋がった瞬間でした.

デモリールを観たときから、この曲はすごく気になってたんですけど、 今まで CD にもなってないし只の CM ソングなんだろうな程度にしか 思っていなくて、探そうという発想もなかったんです。

そうしたら!!何気なく聞いたその一枚が正にそれじゃないですか。 迷うところナシでレジに直行したのは言うまでもなく、 最近は一日中このCDをかけっぱなしです。

POP でチョット可愛くて、爽やかで…… この CD も聞いてるだけで私をシアワセにしてくれる そんな一枚です

未分類

ALWAYS 三丁目の夕日

ALWAYS 三丁目の夕日 豪華版

先週から続いていた作業も一段落してちょうど 仕事に穴が空いたので,山盛りの作業が残っている人たちの
冷たい視線を背中いっぱいに受けながら8時前に退社. そりゃあもう目を合わせる人全員からものすごいツッコミを 受けましたとも(汗.

久しぶりに早く帰れた(8時で早いってのもどうかとは思うけど…ので, 借りてた “ALWAYS 三丁目の夕日” を観ることにしました.
この作品,普通の人たちの評価も高かった(らしい)上に, CG屋さんの間でも “CGスゲーーーー!!” って話題になってたんで, ずっと観たかったんですね.

……で,感想はというと…

泣いた(T∀T)!!!!
幸せになった!!!

この映画はスゴイ!!
真っ直ぐ,素直に “懐かしくて暖かくてそして熱かった昭和” を描いていて,映画を観てる間中ずっとシアワセ感一杯に 浸ることができます.

CG も劇中かなりの部分で使ってるのに全然それを意識させずに, 違和感なく映画とストーリーに没入できるんだから大したものです.

ここ数年間観た中で,最高の映画です.

その後メイキングを観たんですが,これを観てまたビックリ. “こんなにCG使ってたの!?”って思えるぐらい
馴染んでるんですね.こういうのを見ると,”負けてられるか!!”と モチベーションがググッと上がります.

未分類

ゾーン

Joel on Software の書評を読んでいると,必ずといっていいほど
言及されているものに “ゾーン” というものがある.曰く:

知識労働者にスペースと静かさとプライバシーを与えると生産性が上がることについては、たくさんの報告がなされている…(中略)…知識労働者というのは,「フロー」あるいは「ゾーン」として知られる作業に完全に没頭して周りのことを忘れた状態にいるとき、最もよく働く。
(中略)

問題は「ゾーン」状態に入るのが簡単でないという点だ。…(中略)…もう一つの問題は、何かあると簡単にゾーンから追い出されてしまうということだ。

というものだ.そのため,プログラマには静かな仕事環境とプライバシーを確保し,ちょっとやそっとのことでは集中を乱されないようなクリーンルームのような環境を準備するべきだと述べられている.

たしかに,”ゾーン”状態に入っている時の作業効率の脅威的な向上自身の体験にも当てはまる.私の経験からすれば,この状態に入るには自宅で作業をするのが最も適している.

自宅であれば(各種誘惑はあるものの)自身の環境を全て自分でコントロールすることができる.他の人からつまらない雑用を頼まれることもないし,周囲の雑音に心を乱されることもない.

けれども,私のようなインハウスツール作成を生業にするようプログラマの場合,会社でクリーンルームに突っ込まれてしまっては仕事にならない.私の場合はツールを作る(Develop)のは当然ながら,周囲の人と対話をし,仕事を理解してそこに潜んでいる需要を堀起こす(Research)ことが最も大事かつ難しい仕事なのだからだ.

そのため,周囲の言動から目を背け,耳を塞いでしまうような行為を行なうことはできない.そんなことをするのは自殺行為に等しい.

では, Research と Develop の区切りをどうやってつければいいのだろうか.

ところで.”ゾーン” に入るには,本当にクリーンルームのような環境が必要なのだろうか?もしくは,年柄年中 “ゾーン” に入っていないと解決できないような仕事ばかり目の前に転がっているのだろうか?……そんなことはない.大抵はスライム級かせいぜいキングスライム級の仕事ばかりだろう.

そんな仕事をやっつけているときは,開発を続けつつ,現場で作業している人に混ざって Research をしていればいい.
ちょっと手強い敵が現れた時だけ,集中する為に周囲の音をシャットアウトする.

このとき,私の場合はお気に入りの音楽に助けを求める.大事なのは,既に何十回何百回と聴き込んで次にどんな曲が流れるのか,どんな音が出てくるのか判っているものを選ぶことだ.Shuffle なんてとんでもない!!発見はいらない.欲しいの予定調和だ.

ヘッドホンで音楽を聞けば余計な雑音はシャットアウトできる上に,次に何が起こるのか,思考の流れを自分の支配下に置くことができる.そのため,ゾーンとは言わないまでも高いレベルの集中力を維持することができる.

この程度の集中レベルの良い所は,途中で割り込みが入った場合でも比較的容易に同じレベルまで集中しなおすことができる点にある.通常の仕事なら,このレベルで十分こなせるだろう.

新しいツールの設計をしたり,〆切間際で完成度をどんどん上げていかなければいけないときなど,全力でその問題と戦わなければいけない時だけ,一人になれる場所に開発機材ごと席を移す.

このときだけは,電話もかかってこない,人もほとんど寄りつかないようなクリーンルームのような空間が必要になる.そして,この空間の確保こそが一番の問題にもなる.幸い,私の会社にはスタジオがあるのでそこを利用させてもらっているが,それがなかったら自宅で作業することになるだろうか.

長々と書いたが,結局は

  • “ゾーン” が必要な仕事は限られている
  • 集中のレベルをコントロールするのが大事
  • 要の部分だけは周囲との交流を断って仕事をすることも必要

という,極々当たり前のことを書いただけだ.もちろん,一人で全ての作業をこなし,普段から周囲と対話をしなくても仕事ができるような人ならば(私にはそんな仕事は想像できない!!)最初から最後までクリーンルームに籠って存分に “ゾーン” に入ってもらえばいい.

書評

Joel on Software

Joel on Software

世界的にも有名な blog, “Joel on Software” から抜粋された記事の日本語訳が最近出て,世間でも結構評判が 良いようなので私も買ってみた.

基本的には Web に書かれている内容のままなので, 英文でよければほとんどの記事が読めるのだけれども, 各種校正が入っている日本語文章として手元にあるというのはいろいろありがたいのだ.私もまだ頭の数章しか読んでいないのだけれども, プロジェクトマネージメントの勘所(とプログラマの生態)をさっくりと理解するにはとてもいい本ではないかと思う.

書かれている内容自体は,私の中では結構あたりまえに近い話も多い(そのうちのいくつかは氏の blog で知った概念も入っているが…)ので新鮮さは少ないものの, こういった分野について今まで関心を持っていなかったような人には目から鱗がボロボロと音を立てて落ちるような感動を覚えるだろう.

本書は主にプログラム開発の現場を仕切る人たちの為に書かれているのだが,意外と CG プロダクションでも流用できる概念が多いので,会社のマネージャクラスの 人にも読んでもらいたいなぁと思う部分が多々ある.

…というか,絶対に読んで欲しいと思う人が 2,3 人頭に浮かんでいる.まあその人たちが読んだからといってピンと 来るかどうかはわからないのだけれど.むしろ,ピンと来ないとしたらそこに問題が潜んでいるとも言える.