カテゴリー: 書評

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チームビルディング

チーム・ビルディング―人と人を「つなぐ」技法 (ファシリテーション・スキルズ)
最近身の回りにいろいろあって、”組織”というものを今まで以上に意識する事が多いのですが、そんな私に丁度良さそうな本がありました。その名も”チームビルディング”。

この本で最も”なるほどね”と思ったのが、組織を組み立てる時の考え方でした。

よくありがちなのが、初めに目標ありきで運営を始める手法です。本書では、それよりも まずは進めてみる事、それから “自己組織化” とでも言える、メンバー各々の関係で組織を形作る事ができるようにしていくのが大事なんだという事が書かれています。

これは確かに一理あります。強烈なリーダーシップを発揮するリーダーがグイグイとチームを引っぱっていくようなやり方ではリーダーの能力に依存する形になってしまいますし、それならまだしもリーダーシップの無いリーダーが目標だけを掲げても誰も見向きもしないなんてことになれば組織として動く事すらできません。

それよりもまずメンバー間の信頼関係の構築と、そこから内発的に目標が生まれるようにする土壌作りが大事なんだという考えが、遠回りなようでいて実は近道なんだなと気づかされました。

“ファシリテーター”というのが本書でもキーワードとしてあがっていましたが、正にその言葉がピッタリと当てはまる本です。

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年収10倍シリーズ

無理なく続けられる年収10倍アップ手帳2008
勝間和代さん監修の “無理なく続けられる年収10倍アップ手帳” が発売されたので早速購入しました。
この手帳は既刊の”無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法”と、最近発売された ” 無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法” で披露されていたノウハウを日常で使えるように形にしたものです。

この方の基本的なコンセプトはとても単純で、”自分に投資をして価値を上げよう” “投資をするための仕組みを作ろう” というのが大きな柱になっています。そして、そのためのノウハウを余すところ披露してあるのが既刊の 2 冊です。

無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法

既刊の2冊で述べられている “年収10倍アップのノウハウ” は、主なターゲットが資格や肩書きが評価に大きく関わってくるような文系ビジネスパーソンなので、そのまま丸ごと自分に当てはめることはできないのですが、どうやって効率的に自分に投資するかというノウハウを得るにはとてもいい教材になっています。

年収10倍はともかく(笑)、私もこの手帳を使って、少しでも無駄に過ごす時間を減らしていこうと思います。

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レバレッジ勉強法

レバレッジ勉強法

本田直之氏のレバレッジシリーズ最新刊、”レバレッジ勉強法” を読みました。タイトル通りどうやって勉強するか?という点に焦点を当てて、氏のノウハウを惜しげも無く公開しています。

特に私が参考になったのは、”目標から逆算して時間割を作る” “時間帯によって勉強する内容を変える” といった点でした。それ以外にも目から鱗な記述テンコ盛りなので、ぜひ一読をオススメします。

以下は私が読書後に印象に残った部分を書き出したキーワードです。

  • 時間割をつくる
  • テレビは1.5倍速
  • まずは一歩を踏み出す
  • ROI
  • 瞬発型の知識/遅効性の知識
  • 目標を細分化する-“会計を勉強したい”は曖昧すぎる 。会計士になりたいのか?経営のために知識を得たいのか?
  • 相手を知る
  • 目標と期日を決めて、逆算型でスケジュールを立てる
  • 参考書選びは慎重に
  • 選んだ参考書を三回繰り返す(20%/50%/80%)
  • 三回繰り返した後、覚えられない部分を暗記カードへ
  • 学生より、社会人が勉強する方が大事
  • 人気が集まる分野は避ける
  • NHK英語講座の活用
  • 時間帯によって勉強内容を変える
    • 朝はインプット
    • 夜はアウトプット
    • 寝る前は暗記

このキーワードにビビッ!!と来たアナタ!!ぜひ読んでみてください。

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2日で人生が変わる 「箱」の法則

自分の小さな「箱」から脱出する方法2日で人生が変わる「箱」の法則

以前読んで目からボロボロと鱗が落ちる感じを覚えた”自分の小さな「箱」から脱出する方法”の第二弾、”2日で人生が変わる 「箱」の法則” が先日発売されました。

第一弾がすばらしいできだったので、今回の本も期待に胸を膨らませながら読んだのですが、その期待を裏切らないすばらしい内容です。

「箱」作り出す恐ろしい「共謀」、「共謀」の作り出す「仲間」、果ては戦争まで、全ては「箱」(=自己欺瞞)から生まれるという話には驚くばかりです。

本作は入門編だった第一弾の内容を強化する形で話が進められ、前回語られた内容がより深く掘り下げられています。そのため、まずは第一弾の内容を消化してから取り組んだ方が得られるものは多いと思います。

もっと言えば、これらを交互に繰り返し読み返すことをおすすめします。それぐらいのことをしても十分に元が取れるぐらい価値のある二冊です。

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「関係の空気」「場の空気」

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

会社の女の子に「KY(空気読め)って言葉を初めて聞いたとき、痴山さんの顔が浮かびましたッ!!」って言われるほど空気が読めない痴山ですこんばんは。

本書は一対一の関係に生まれる「空気」を「関係の空気」、三人以上の人が集まった場に生まれるものを「場の空気」として大きく分けて扱い、「場の空気」には問題があり、「関係の空気」はむしろ必要なものというスタンスで話が進んでいます。

「場の空気」は「総意」「世論」「国民感情」などと形を変えて度々現れて、意思決定に重大な影響を与えるのですが、冷静に考えるとほとんどの場合理論的な答えとは全く違う結論を下す ことになっています。本書では、そのような事態がなぜ起きるのか?という疑問に、とても判りやすく答えています。

更に、関係が巧くいっている場合には想像以上に機能する「空気」が、ちょっとしたできごとで機能不全に陥る「窒息」や、「空気」を自分のために操作することで「権力」を得る人たちの実例にまで言及されていて思わず”なるほどなぁ”と唸ってしまいます。

最後の提言に関しては全面的に同調できない部分もあるのですが、普段は目にすることができない「空気」にはっきりとした輪郭を与えているこの本は一読の価値ありです。

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経営の大局をつかむ会計

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

会計ってお硬〜いイメージがつきまとって、私みたいな技術畑の人間にはとっつきにくい印象があります。

そんな会計音痴な人にもオススメできる 会計の本がこの本です。

細かい会計の仕組みにはこだわらないで、武富士やトヨタなど、実際の企業のバランスシートや損益計算書から、企業の実態をあぶり出す方法をわかりやすく解説しています。

細かいことは専門家に任せるとしても、自分たちが働いている会社がどんな仕組みで成り立っているか? を知っておくと、いろんなことが見えてくるかもしれません。

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自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

あけましておめでとうございます.
今年もよろしくおねがいします〜.

実家に帰って暇になるし,冬休みの読書に…と”自分の小さな「箱」から脱出する方法”を読みました.

何を隠そう,本を読んでる間に年が明けちゃったんですけどね。たまにはそういう年越しもいいですかね.

この本は,一部 blog では話題になっていたものの絶版で入手困難になっていたものが 11 月に奇跡の復刊を遂げて,すぐにでも読みたいと思っていたものだったんですね.
そうこうする間に一ヶ月過ぎてしまったんですが先日渋谷に行ったついでに探して来ました.

余りの面白さに一気に読みきってしまったんですが,この本は噂に違わず素晴らしいです.

“自分だったらどうなんだろう?” “アノ人はどうなんだろう?” と自分の実体験と照らし合わせて読み進めると, “箱” に入っていた自分に気づいたり,”そうは言っても…” と再び “箱” に入ってしまいそうになる自分と葛藤したりといろいろ考えさせられる内容テンコ盛りでした.

正直,まだ納得/消化しきれていない部分もありますけどね(笑

新年早々読むような本でもないですけど,一度手にとってみることをオススメします.読んだ後はセカイがチョットだけ変わりますよ.

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Joel on Software

Joel on Software

世界的にも有名な blog, “Joel on Software” から抜粋された記事の日本語訳が最近出て,世間でも結構評判が 良いようなので私も買ってみた.

基本的には Web に書かれている内容のままなので, 英文でよければほとんどの記事が読めるのだけれども, 各種校正が入っている日本語文章として手元にあるというのはいろいろありがたいのだ.私もまだ頭の数章しか読んでいないのだけれども, プロジェクトマネージメントの勘所(とプログラマの生態)をさっくりと理解するにはとてもいい本ではないかと思う.

書かれている内容自体は,私の中では結構あたりまえに近い話も多い(そのうちのいくつかは氏の blog で知った概念も入っているが…)ので新鮮さは少ないものの, こういった分野について今まで関心を持っていなかったような人には目から鱗がボロボロと音を立てて落ちるような感動を覚えるだろう.

本書は主にプログラム開発の現場を仕切る人たちの為に書かれているのだが,意外と CG プロダクションでも流用できる概念が多いので,会社のマネージャクラスの 人にも読んでもらいたいなぁと思う部分が多々ある.

…というか,絶対に読んで欲しいと思う人が 2,3 人頭に浮かんでいる.まあその人たちが読んだからといってピンと 来るかどうかはわからないのだけれど.むしろ,ピンと来ないとしたらそこに問題が潜んでいるとも言える.