書評

「関係の空気」「場の空気」

「関係の空気」 「場の空気」 (講談社現代新書)

会社の女の子に「KY(空気読め)って言葉を初めて聞いたとき、痴山さんの顔が浮かびましたッ!!」って言われるほど空気が読めない痴山ですこんばんは。

本書は一対一の関係に生まれる「空気」を「関係の空気」、三人以上の人が集まった場に生まれるものを「場の空気」として大きく分けて扱い、「場の空気」には問題があり、「関係の空気」はむしろ必要なものというスタンスで話が進んでいます。

「場の空気」は「総意」「世論」「国民感情」などと形を変えて度々現れて、意思決定に重大な影響を与えるのですが、冷静に考えるとほとんどの場合理論的な答えとは全く違う結論を下す ことになっています。本書では、そのような事態がなぜ起きるのか?という疑問に、とても判りやすく答えています。

更に、関係が巧くいっている場合には想像以上に機能する「空気」が、ちょっとしたできごとで機能不全に陥る「窒息」や、「空気」を自分のために操作することで「権力」を得る人たちの実例にまで言及されていて思わず”なるほどなぁ”と唸ってしまいます。

最後の提言に関しては全面的に同調できない部分もあるのですが、普段は目にすることができない「空気」にはっきりとした輪郭を与えているこの本は一読の価値ありです。

「関係の空気」「場の空気」”への2件のコメント

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