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オープンソースソフトウェアの醍醐味

2014 年 4 月 1 日 コメント 2 件

最近はエイプリルフールが世間にガッツリ定着してしまって、どこもかしこも嘘だらけでつまんないので逆張りしてガチネタで攻めます。天邪鬼天邪鬼。

ここ一、二年、一般的な CG 屋さん達からも Blender が注目を集めてきていています。最近はそこに Softimage の開発終了のニュースがあったために更に注目を浴びることになっています。

それはそれでいいことですが、Blender を使うということに対して何かいろいろ的外れな言及が多い(というか、そればっか)ので一度自分の意見をまとめてみました。


一番違和感を覚えるのが “無料=お金がかからない” という紹介です。これはもう完全に的外れです。タダだから使うというのは、情熱と時間が有り余って、でもお金がない学生さんならともかく、いい大人(しかもプロ)がそれ基準でものごとを決めるのは “本気!?” と思ってしまいます。正直、発想が貧乏臭いです。

はっきり断言しておくと、Blender を使うことでお金がかからないとか安く作品を作ることができるということは全くありません。自分達が割くリソースの内容と、その投入先が市販ソフトウェアを使う場合と異なるというだけです。そもそもソフトウェア代なんて人件費に比べたら誤差みたいなもので、それが高いというのは(ry

繰り返すと、投資の質と投資先が異なるというだけです。

市販ソフトウェアは既にある程度実績があって商品としてパッケージングされたものをお金を払って使うものです。それに対し、オープンソースソフトウェア(特に発展途上なもの)はそこにあるものを自分の力で使えるようにするという努力が必要になります。

例えて言うなら、市販ソフトウェアを使うのがコンビニ弁当を買って食べるということだとするとオープンソースソフトウェアは山や海に行って、自分で食材を集めて調理するようなものです。材料そのものにはお金はかからないかもしれないですが、そのかわりに現地に行く労力や食材を育てたり狩りをするためのスキルが必要になります。

そのためのスキルを身につけるには相応以上のコストを払う必要があります。Blender を使おうかと言っている人で、そういったコストを払う覚悟がある人はどれくらいいるんでしょうか?かなり疑問です。

また、無料だからという理由で飛びつくのも、それを吹聴するのも自分の首を締める行為にしかなりません。無料で制作ができる=自分たちの仕事をするためにかかるコストが安いですよというメッセージに受け取られ、結果的に映像制作をするということの価値を下げることに繋がります。それがみんなが求めている未来なのでしょうか?

大事なのは、”無料だから使う”ではなく、”使いたい使い方があるから使う”、そういう発想で道具を選ぶことです。これは極々当たり前のことですね。でも、”無料”の二文字の前にはそういう判断ができなくなる人が多いようです。

そして、Blender を始めとしたオープンソースツールを使用すること、ひいてはオープンソースソフトウェアのコミュニティに参加することの醍醐味はもっと別のところにあります。

開発力があればオープンソースソフトの開発に携って、自分達の力でソフトウェアをより良くすることができます。これは最もコアなかかわり方と言えます。

開発力が無い人は指をくわえて見ているだけか?というとそんなことはありません。
自分たちが欲しいと思ったら、自分で足りない部分を補っていけばいいのです。日本語マニュアルが欲しかったら自分が翻訳してみる、アーティストであれば自分の作った作品を公開してみる。これもコミュニティに参加するためのアプローチの一つです。
極端な話、インストールが難しいソフトウェアであればインストールマニュアルを作るというのも貴重な(そして、とても感謝される)貢献になります。

こういった、自分ができるアクションを起こすことで世界中の Blender チームの一員になるとができ、また、世界中の Blender チームを自分たちの一員にできるのです。そうなれば、世界中の開発者、研究者、アーティストと協力して新しい価値を生み出すことができるようになります。

そのためのコストは決して小さいものではありませんが、それ以上に得られるものがあります。

「ウチは CG をつくる会社だから関係ないよ」という意見もあるかもしれません。でも、考えてください。コミュニティの一員になることで、特定のベンダの呪縛から逃れることができます。SIGGRAPH で発表された、あの会社の使っていた技術がすぐに手元に届きます。しかも、開発者と直にディスカッションできます。自分が欲しいと思った表現方法を提案して賛同者を募ることもできますし、資金援助することで自分達が使っているツールを直接的により良くすることもできます。

これらの可能性を、今掛けているのと同等かそれ以下のコストで実現できる可能性を秘めているのが Blender であり、オープンソースコミュニティなのです。

無料だから使うっていう貧乏臭い発想より、こっちの方が断然ワクワクしませんか?

自分たちの手で未来を切り拓きましょうよ。

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回転マトリックスの求め方とマトリックスから回転角度の求め方

2012 年 1 月 18 日 コメント 3 件

以前、mixi 日記に書いていたものの、mixi日記検索できないぜジーザス!!ってことでこちらに転載します。

XYZ順に行列を掛けるときの回転マトリックスの作り方と、そこからXYZそれぞれの回転値の求め方です。
これ、何故か数年に一度必要になるんですよね、、、、

なんか,毎度毎度この展開をやっては資料を無くしてる(そして再び一から計算しなおし…)んで,いいかげんウンザリなんですよね(笑
しかも、他のページに載っている式が間違っているものが結構あって、検索しても信用できなくて結局自分で計算するという。。。。ソレハサテオキ。

回転行列を求める

まず, XYZ それぞれの軸の回転.


    | 1  0   0 | 
Rx = | 0 Cx -Sx| 
    | 0 Sx  Cx | 

    |  Cy 0 Sy | 
Ry = |   0 1  0 | 
    | -Sy 0 Cy | 

    | Cz -Sz 0 | 
Rz = | Sz  Cz 0 | 
    |  0   0 1 | 

Cx,Cy,Cz,Sx,Sy,Sz は cos(θx),cos(θy),…sin(θz) の略です.
表示が崩れて汚いのはご愛嬌(笑

因みに,これも忘れた場合は一から考えるんですけどイマドキはググった方が早いですね.そのときは座標系の違いに気をつけないといけないですけど.

XYZ回転のマトリックスを求める

XYZ 回転の場合,回転マトリックス R は RzRyRx.
これを一生懸命展開します.


   | CyCz SxSyCz-CxSz CxSyCz+SxSz | 
R = | CySz SxSySz+CxCz CxSySz-SxCz | 
   | -Sy SxCy CxCy | 

※2013/04/08 計算結果に間違いがあったので訂正しました。ご指摘いただいた Jagoon さんありがとうございます。

ε=(。・д・。)ふー

根気があれば完全に手の運動です.でも,大抵どこかで間違えるんですよね…(´・ω・`)

回転行列から回転角度を求める

因みに,最初に R がわかっていれば回転角度も求めることができます。
ただし、このときに必ずしもマトリックスを作った元の回転角度がわかるというわけではありません。

こちらのサイトは行列の表記が転置されているので気をつける必要がありますが回転順序が違う場合も含めて詳細な計算方法が掲載されています(合っているかは検算していないので誰かやってくださいw)
※注記:NumPyで行列を扱うと、上記サイトのように列優先なので、NumPyを使うときは転置された表記のほうがわかりやすいかもしれません

続・回転行列から回転角度を求める

より詳細を記述した資料をみつけました(注意:PDF)。ちゃんとやろうとすると結構めんどくさいみたいです。笑

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CGWORLD.jp スクリプト兵法書~MAXScript編~ 第四回

CGWORLD.jp の max script 講座の第四回が更新されました。

前回に引き続き、一気にステップアップするための内容です。

今回は具体的に ParticleFlow とスクリプトを使用して映像を作るための手順の解説をしています。
ParticleFlow に関してはいろいろと問題もあって、環境によっては今回解説した内容だけではきちんと動かない可能性もあるので、もし問題や不明な点があればご連絡頂けると嬉しいです。

カテゴリー: 3ds max, CG タグ:

PySide for Windows

2010 年 9 月 2 日 コメント 4 件

CEDEC中だから・・・・ということは全く関係なく(笑、急遽飛び込んできたのが PySide for Windows リリースのニュースです。

PySideは Maya や RealFlow でも採用されている Qt というライブラリを Python から使用するためのライブラリです。同様なものに PyQt が存在し、これまでは Windowsで Python から Qt を使うには PyQt しか選択肢がありませんでした。

しかし、PyQt の最大の問題点はライセンスです。 PyQt はオープンソース版と商用版の二つのライセンスがあり、オープンソース版で開発したプログラムは LGPL でリリースしなければいけません。 LGPL とは、平たく言えば”公開したプログラムのソースコードは全て公開する必要があり、第三者がそのプログラムを自由に使うことができる”という形態です(似たようなものにGPLもあり、いろいろ違うのですが割愛w)。
※PyQt のオープンソース版は GPL ライセンスでした。GPLはLGPLよりも制限が厳しく、完全にソースコードを公開する必要があります。ご指摘ありがとうございます!!>okayuさん

オープンソースなプロダクトならこれでも全く問題ないのですが、商用ツールを作成して配布するときにはこれでは困ります。そこで商用ライセンスを購入すればGPLではない形式にできるのですが、開発者一人当たり£350(約4万5千円)かかります。

しかし、PySide は完全フリー、かつGPLに縛られないという夢のようなプロダクトなのです。これは嫌でも期待が高まります。私もそろそろPyQtのライセンスを購入しないといけないなーと考えていたところなので、このタイミングでの PySide のリリースは嬉しいやら何やら複雑な気分です。

まだ動作検証もしていないので実用に耐えられるかわからないですが、これは期待大です!!早速テストして、よさそうならこちらに乗り換えることを本気で検討します。

カテゴリー: CG, Programming タグ:

テクニカルアーティストについて考えをまとめてみた

2010 年 9 月 2 日 コメント 5 件

CEDEC のテクニカルアーティストラウンドテーブルが盛況におわり、その余韻からテクニカルアーティスト(TA)に関する議論が Twitter でも活発にされています。

私も今回の CEDEC のおかげでいろいろな知見を得られたり、再度考察することができたので軽くまとめてみます。

いろいろ考えた結果、最終的に辿り着いたのがこの図です。横軸がその人の指向、縦軸が能力の高さです。

まず、TAの人はプログラムを書くことができる必要はありません。もちろん、プログラムを書ければそれに越したことはないですが、それはあくまでもエンジニアと意思疎通をするための一手段です。それ以外の方法を駆使して、アーティストの意思をエンジニアに伝えることができればいいのです。
とは言っても、結局はエンジニアの話す言葉やメンタリティを理解しなければいけないので、恐らくスクリプトや簡単なツールを作ることができる程度のプログラミングスキルは要求されると思います。

。。。。と、ここまではアーテイスト寄りのTAの話です

CEDECのラウンドテーブルでも、主にこういう人たちを前提に話が進められました。先ほどの図で言えばTAのうち、左側に属する集団です。

私は、TAにはもう一つエンジニア寄りのTAというものが存在すると考えています。というか、私自身がそちら方面なのです。エンジニア寄りTAは、エンジニアとしてのベースを持ちながらもアーティストの言葉とメンタリティを理解する人たちです。これがTA集団の右側に属する人たちです。

真ん中の軸はアーティストとエンジニアを分ける深くて広い谷なので、ここに近づけば近づくほど(そして、上にいけば行くほど)人は減っていきます。今までは一くくりにしてしまっていたためその点が見落とされてきました。その結果、TA=ハイパージェネラリスト=なれる人がいない!!というジレンマに陥っていました。

しかし、まずはTAを二つの集団に分けて考えてみましょう。すると、どのような人がTAに向いていそうなのか、そして今後のTA育成のための戦略が見えてきます。

実は、最初TAとはどんな人?ということを考えているときは図の上半分しか頭になかったのです。しかし、議論を進めるうちに”もしかしたら、アーティストとしてもエンジニアとしてもダメな人の逃げ道になるのでは?”という危惧が頭をもたげるようになってきました。でも、よく考えればそういう人は十字の下のほうの人たちです。結局ダメな人はダメなんだなと(笑)。

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会社Webサイトを公開しました

2010 年 8 月 31 日 コメント 4 件

CEDECにあわせて会社のWebサイトを公開しました。

会社名は「日本CGサービス(JCGS)」です。日本の映像制作の標準パイプラインを構築することをミッションにしたこれまでにない会社です。よろしくおねがいします。

急造での公開なので非常に寂しい状態ですが、今後会社の成長にあわせて(そして日本の映像制作パイプラインの成長にあわせて!!)どんどん充実をさせていきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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CEDEC2010 テクニカルアーティストラウンドテーブル資料公開

2010 年 8 月 26 日 コメントはありません

来週火曜から開かれるCEDECの、テクニカルアーティストラウンドテーブルの資料が公開されました。麓さん、ありがとうございます!!

http://twitter.com/FumotoKZ/status/22085962102
http://twitter.com/FumotoKZ/status/22086135498

セッション前にセッション関連資料が公開されるというのはかなり珍しいことだと思います。興味のある方はご覧になって、ぜひ会場まで足を運んでください。

資料を読む事ができたらそれで十分!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ラウンドテーブルは現地で皆が顔をあわせてワイワイと議論するのが醍醐味です。

それでは、現地でお会いしましょう!!

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CEDEC2010 テクニカルアーティストラウンドテーブル

2010 年 7 月 21 日 コメント 2 件

CEDEC2010テクニカルアーティストラウンドテーブル に参加させて頂く事になりました。

ここ数年、特にゲーム業界で”テクニカルアーティスト(TA)”という肩書きがよく聞かれるようになってきました。しかし、現状ではそのイメージは百人百様で、「具体的にどんな人?」と聞かれると意外とコレ!!という返答をし辛いのも確かです。

CG業界では、似たようなポジションは”テクニカルディレクター(TD)”と呼ばれていますが、こちらも結構曖昧な使われ方をしています。特に日本では、技術に強いアーティストの人をTDと言ったりします。実は、これも米国などでの使われ方とはちょっと違うようです。

完全に”コレ!!”と決める必要もないですが、今回のラウンドテーブルを通して、TAって何となくこんな感じの人たちなのかな~?というコンセンサスが得られるようにしていきたいと思っています。興味のある方、ぜひご参加を!!

Twitterのハッシュタグ(#cedecTART) も設定されています。こちらもご活用ください。

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スゴムービー

2010 年 4 月 23 日 コメント 2 件

フロムソフトウェアから、また超絶ムービーが飛び出しましたよ!!



(  Д ) ゜ ゜

すげぇぇぇぇ!!!!

作ったのはどこだろう?白組さん?ちょっとテイストが違うような気もするけど、他にこんなの作れる会社はちょっと思いつかない。
フロムさん内部でも作っているんだっけか・・・?

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Obscura Cuelight Pool Table

2010 年 3 月 25 日 コメント 2 件

ビリヤード台の上からプロジェクターで絵を投影して、波紋やら炎やらオネーチャン(笑 やらを投影するシステム。面白い!!



メディアアート系ではこの手の作品はよく見るけど、実用化しているのは初めて見るかも。

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