ちょっと古い話ですが、先日こんな記事が出ていて気になりました。
私立や地方の国立大と比較した旧帝大の研究規模の大きさは今更言うまでもないですが、その指標として論文一本あたりのコストを取り上げるのは余りにも恣意性が高過ぎるんじゃないでしょうか。
この記事だと一時情報へのリンクが貼っていなかったので自分で探してみたんですが、こちらからデータを引っぱってきたようです。
わたしも詳しく内容を検討するほど暇じゃないんでざっくり見ただけですが、肝心の数字は P.42 の表 4-17、”論文あたり資金と論文数(2006 年)” に載っています。
asahi.com の記事だけを見ると東京大学の論文の「生産性」が悪いように受け取られるような印象を受けるのですが、実際にこの資料にあたると私立大学まで含めると東大以上にここで言う「生産性」が低い大学は 8 大学もあります。
そもそも研究って分野によってかかるコストは全然違いますよね。例えて言うならスーパーカミオカンデを作るのとnytr作るのじゃ全然違うのに、それを同じ土俵で比較するようなものです。
論文一本いくらかかったかで論文の価値を判断するって、よく冗談で言われる “レポートの評価はページ数に比例する” っていうレベルと全く変わらない発想です。全く以てクダラナイ。
個人的には、技術系な研究開発に関しては東大って良い仕事してる印象をもっています。