苺栽培マシーンで苺を効率よく成長させるためには肥料の濃度を適切に保つ必要があります。この管理に使用されるのがECメータです。ECメータを使用することで養液の中にどの程度の不純物が溶け込んでいるかを測ることができます。ただし、ECメータは溶液の抵抗値を見ているだけなのでどのような成分がどのような割合で溶けているのかということまでは確認することはできないです。
養液の抵抗値を測るだけなので、溶液中に電極を配置して電気を流せば値を取得できます。このとき、単純に直流電圧をかけると片側の電極に溶液中のイオンが引き寄せられて結晶化してしまい、センサーの性能が低下してしまいます。これを避けるために電極には交流電圧をかけます。
交流電圧をつくる
オペアンプを使用したウィーンブリッジ回路を使用して交流電圧を作ることができます。オペアンプを使用するためには負電圧が必要になりますが、”オペアンプ用に負電圧を作る“で作成しているのでそれを使います。
ウィーンブリッジ回路についてはCQ出版社の”ウィーン・ブリッジ発振回路が適切に発振する抵抗値はいくら?“を参考にしました。
設計ができたらブレッドボード上に回路を組んで動作確認します。写真の右側が負電圧の生成回路で真ん中がウィーンブリッジ回路です。
手元の環境では回路図のままではいい感じに発振してくれなかったのでR2の部分に可変抵抗を挟んでいい感じの波形が出るように調整が必要でした。調整して得られた波形は下図の通りです。
綺麗な正弦波が出力されています。
元の電源が5Vなので±5Vの正弦波が欲しいところですがそれは難しそうです。また、0.15Vくらいマイナス寄りになっているのがちょっと気になります。うーん。これは何なんでしょうね?とりあえず今のところはヨシとしておきます。
色々雑なところはあるものの、これで計測に必要な交流電圧を得ることができました。