カテゴリー: CG

Blender, CG

Blender新春緊急オフ会 in Tokyo

2/27日に Blender オフ会があったので参加してきました。Blender の開発や映像制作に勢力的に活躍されているMatt氏やBlender本の著者、トニー氏がいたので、飲んだ勢いに任せていろいろ聞いてみました。

思い出せたことを殴り書きしている状態なので見にくいです。すみません。あと、追加で思い出したことがあれば随時付け加えて行きたいと思います。

・アクティブな開発者は?
-大体10人だけど、他にもいろいろいて全体で4〜50名くらい

・何でZUpなの?
-歴史。BlenderはAmigaのソフトを真似して作ってて、それがZUpだった
-変えるのは難しい

・プラグインシステムほしーよー
-(私)ビルド/起動/テスト/リビルドのサイクルを早めたい。アプリの再起動はストレスフル
-ただの機能で、それ自体は何もしないからプライオリティは低い
-全体コンパイルしても早いから十分
-起動も2秒だから十分!!
-(私)モジュールとして配布したいよー
-Blenderは無料でオープンソースだからそのまま配ればいいじゃん

もうちょっと説得力のあるネタ(と英語力)を用意しないとダメかー

・GPL
-(私)BlenderがGPLなので、プロプライエタリなツールを作りづらい
-(私)また、コードの公開/非公開で差別化できない
→例えば、sendmail は最新版はお金を支払った企業に対してのみ公開、オープンソース版は古いバージョン
-内々で使うには別に問題ないよね?
→”内々”にもよる。協力企業だった場合は?とか結構微妙。ソースコードを公開するのに抵抗がある人たちもいる(特にスーツの人たち)
-ソースはただのソースなんだから公開しちゃえばいいじゃん
→それは同意。ただ、そうは思わない人たちもたくさんいる

これはプラグインシステムとも関係してくるところで、母艦になるソフトがGPLでもプラグインという形態だと別のライセンスを取る事もできるため、ビジネスには使いやすいという側面もある・・・と言いたかったけど十分説面できずorz

・Blenderの普及について
-結局、どこかがサポートを担保しないと普及しないんじゃないか
-Blenderは無料なのが強い。学生はお金がないのでBlenderで勉強して、仕事でも Blender を使ってくれる(これについては私は否定的。商用版でも学生版は安いし、 Blender では職は得られない)
-Matt氏の周りでは、最初は一部だけBlenderを使っていたが最終的には全員がBlenderを使って仕事をするようになったらしい

・その他
-Blender for RenderManは?
→今はメンテナンスされてない。が、2.5になると格段にそういうツールを作りやすくなる(だからガンバレ!!ってこと?w)
-日本語対応
→開発者の中に日本語のことが判る人がいない。ただ、問題はわかっている。助けて!!
→(私)日本語対応は結構メンドクサイ。コードを書くのは簡単だけど、その恩恵を受けない開発者に意義を説いて浸透させるのが大変。私だって普段はマルチバイト対応しない。メンドクサイもん(笑

その他にも私が今後考えている(Blenderとはあまり関係ない)プランの説明とかベジマイト信じられない!→納豆の方こそ→I Agree!! とかそんな話をしました。

通常の会話もかなり厳しいのに、ライセンスの話とかビジネスモデルの話をするのは大変ですよ。。。もっと英語を勉強しないとなぁ。

3ds max, CG, Programming

Py3dsMax installation and demo

Blur Studio 作の Py3dsMax が更新されていて、本格的に使用できるようになっていました。以前も動作はしたのですが、UI 部分が動かなかったので MaxScript から python モジュールにスクリプトを文字列として渡すとかしないといけなかったんですね。

今回のアップデートは PyQt に対応し、Python スクリプトもエディタから直接実行できるようになっています。Great!!!!!!

インストールも至って簡単で、Py3dsMax のサイトから必要なインストーラをダウンロードしてインストール、そして 3ds max のプラグインパスにインストールした Py3dsMax のパスを通すだけ(Max2010は、標準添付のQtライブラリを改名して無効にする必要あり)。

ついでなのでダウンロードからインストール、サンプルプログラムの実行までをムービーにしてみました。画面再撮で見にくかったり、インストール途中でハマってもたついたりしますが、全体の雰囲気は掴めるのではないかと思います。



とりあえずいいから動いているのを見たい!! という方は、 07:00 あたりから再生してください。

Blender, CG

Blender2.5 Alpha1


数年ぶりに Blender を触ってみようかなと思い立って WBS+ さんのところのチュートリアルなどを見ながらボチボチ触っています。

Blender ってオープンソースのソフトには珍しいくらいドキュメントが充実していて、使い始めるためのとっかかりがたくさんあるのが素晴らしいです。これで、アノ独特すぎる UI がもっと普通なら、ものすごい勢いで普及してもおかしくないんですけどね。。。

久しぶりに使ってみても、独特の UI には慣れ辛いです。それと、初めて知ったんですが Blender って、座標系が 3ds max と同じ ZUp なんですね。これはかなり嫌な感じです(笑。CAD 出身でもないのに、何でこんな座標系を採用したのか・・・謎すぎます。

その Blender ですが、これまでの 2.4 系から大幅に UI を改良した 2.5系のアルファ版の開発が進んでいます。公式ビルドとしては Alpha0 が配布されていますが、svn 版は Alpha1 になっているようなので、svn 版を独自にビルドすることにしてみました。

いろいろとドキュメントを探していると Building Blender というものを発見しました。しかも、このページは 2.5 系列まできちんとサポートしていて、私もほぼここの記述の通りに作業するだけでビルドができました。素晴らしい!!

自宅環境は Mac なので 2.5/Mac を参考にして

  1. ソースコード取得
  2. 外部ライブラリ郡取得
  3. SCons でビルド

という手順と、あとは私の環境に合わせたちょっとした調整で完了。朝と夜にわけたものの、思い立ってから数時間の作業で自前ビルドの Blender を使うことができるようになりました。この規模のソフトウェアがこれだけ楽にビルドできるのは驚きです。

特に助かったのが、2 の外部ライブラリの部分です。普通はこれだけでかなりの時間を割かれる(そして挫折するw)ところを、Blenderチームは必要なものを自分たちでまとめて管理していてくれて、svn サーバーからチェックアウトするだけで全部揃うようにしてくれています。

独特すぎる UI や座標系などがあってこのまま自分のメインツールにするのはちょっと躊躇してしまう Blender ですが、自分で改良できるのは大きな魅力です。頑張れば UI をゴッソリ入れ替えて Maya っぽくできちゃうかもしれないですしね(笑

そんな妄想も膨らませながら、もうちょっと触ってみたいと思います。

CG, 書評

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論・運動器系

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論・運動器系

ということで発注した半日後には手元に届きました。さすが Amazon、仕事が早い!!

で、とりあえずパラパラと適当にページをめくって見てみたんですが・・・

え!?人体ってこうなってたの!?という発見の連続。すいません、何もしらなかったのは私のほうでした。ヤバい、今すぐ会社に戻って今までセットアップしたキャラクタデータを全部消さないと!!と焦っています。

これは本気でオススメ!!飲み会を二回諦めれば、一生役立つ知識を得られるのです。買うしかありません。

CG, 雑記

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論・運動器系

プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論・運動器系

CieloBlogさんで紹介されていて Twitter 経由で知ったのですが、
プロメテウス解剖学アトラス解剖学総論・運動器系」という本が出版されています。

12000円という値段に一瞬躊躇しましたが、わたしは発注しました。こういう本は前から欲しかったので仕方ない。

とりあえずキャラクタセットアップとかアニメーションをする人は買いましょう。キャラクタアニメーションとか言ってる割に関節の位置とか動きを知らない人多すぎです(人のことは言えないですがw)。ホント、MoCapとかゲームモデルとか関係なく、関節の配置はものすごく大事です。ダメな配置だと、幾ら上手なアニメーターさんがいい動きを作ってもダメなものしかできません。

本当は本物の人体の解剖実験を見たりして目で直接確認できるといいとは思う(何とかできないかと一瞬考えたこともw)ものの、なかなかそうはいかないし予備知識無しでそんなことしても無駄ですからね。

この本を読んで人体のことを勉強して、皆でいいもの作りましょ!!

CG, コンピュータ

ギョーカイ対応ストップウォッチアプリ

映像の仕事をしていると、アニメーションやエフェクトのタイミングをストップウォッチで計測して映像作りに生かしたくなるときが多々あります。

そして、映像の仕事で使うとなると普通のストップウォッチはもちろん、24fps や 30fps、果ては 29.97fps 換算で時間を計りたくなるのが人情というものです(笑

そこで見つけたのが Mac OSX のダッシュボードで使えるストップウォッチ Widget。これはもう、私の要望を120% 余す事無く完璧に叶えてくれています。Mac ユーザーなら即インストールすべし!!です。

Art, CG

The Third & The Seventh

TheThirdAndTheSeventh

Twitter 経由で “The Third & The Seventh” という、感動的な作品を教えてもらいました。

The Third & The Seventh

映像作品としても優れていて見ているだけで身震いして泣けてくるのに、驚いたことにフルCG作品なのだそうです。

更に驚愕なのが、CGを始めとした映像も音楽も、Alex Roman 氏が一人で手がけたということです。しかも、映像中の樹々を再現するためのシステムなど、R&D まで自分でやっているとか。何という才能の固まり。脱帽するしかありません。

作品のサイト、”the third & the seven” には静止画も何点か掲載されています。また、この作品中に出てくる図書館は司馬遼太郎記念館のようです。

その他情報は、Alex Roman 氏へのインタビュー”IN THE NEWS: Alex Roman, “The Third & The Seventh” in size 2.5:: UPDATE::” が最も詳しいようです。元はスペイン語ですが、google翻訳を通すと普通に読める英語に翻訳されます(日本語に翻訳して読むよりも断然わかりやすい!!)。

でも、技術がどうのこうのとかフルCGがどうのこうのとか、そういうことは既に枝葉の事柄となっていて、映像そのものが力をもっているということが最も凄いことです。年の初めからいきなりこんなものを見せられて、もう、何と言ったらいいのやら。。。。凹むような希望がわくような、複雑な心境です。

CG

PreViz(Pre-Visualization)について調べてみた

白石さんのところより。これは良記事。

PreViz(Pre-Visualization)について調べてみた

PreViz とか Vコンテとかは現場では普通に使われていて、これ無しで映像を作ることは既に考えられないくらいに浸透しているのだけれども、数百人規模で動く海外作品と違って、日本ではより柔軟な運用wをしていることが多いと思います。

これは行き過ぎれば無計画化を招いて PreViz の意味を失う恐れはあるものの、PreViz に縛られて身動きがとれなくなってしまうのも本末転倒なので、 PreViz に対するスタンスをスタッフ全員で共有することが大事です。

あと、PreViz だとカメラワークや尺・テンポというものはかなりの精度で表現できるものの、エフェクト(特にゲーム系やハリーポッターのような柔軟性の高いもの)のイメージを早い段階で提示するのは難しいので、悩みどころだったりします。もうね、画面一杯エフェクト祭りだったときに PreViz 作れって言われた時の絶望感と言ったら…(苦笑